
今回が「全日本民医連学術運動交流集会参加報告」の最終回となります。2日目、10月11日は、ポスターセッションでした。わたしは、年甲斐もなく、嬉しそうに2演題発表してきました。
「医師が報告した診断エラー~悪性腫瘍について~」
「歩いてくる救急疾患~都市部における中小病院の役割~」
東神戸病院は、神戸にある中小病院です。以前は二次救急を受け入れていましたし、全身麻酔の手術を行っていました。しかし、時代と共に病院の役割分担が明確となり、いまは全身麻酔の手術はおこなっていません。また、心臓や脳の病気で、重要なカテーテルを使用した検査や治療もほかの高次医療機関にお願いしないといけません。少し断っておきますが、一次医療、二次医療、三次医療・・という分け方があります、一次から三次になるほど高度で専門的な医療を提供するのですが、これはあくまでも役割の違いを示しています。
さて、高度医療の提供は限定されている東神戸病院ですが、重要な役割の一つとして、①緊急性の高い疾患を見逃さないこと②治療できる悪性腫瘍(がん)を発見し高次医療機関に紹介することがあります。
悪性腫瘍の発見のため診断の精度を上げることは重要です。これは医師個々の力量もありますが、システム上の課題、多職種の協力という視点も重要です。
また、患者さん自身は、自分が重症かどうか判断できないですし、私たちの病院には「歩いてくる重症患者」の方も決して少なくないのです。そうした点から、「いかに重症の顔をしていない重症疾患を早期に見つけるか!?」も大きな課題です。そうした視点でまとめた2つの発表でした。
いつも質問されるのは・・「医師が、そんなに報告(アクシデント・インシデント報告のこと)するのはなぜか?」ということです。それは・・私たちが医師の報告を「宝物」にしたいし、してきたからだと思っています。