
「巨人の肩に乗って」これは、「偉大な先人たちが築き上げた功績や発見を土台にして、新しい発見やさらなる発展が生まれる」ということを意味するそうです。
昔「ニュートン」の本(多分岩波新書だったかな?)を読んだときに、出てきたのでよく覚えています。ただ・・意味をしっかり理解していないと、奢っているようにもとられかねませんね。
先日、医局から外来に向かう廊下で、「遠山先生!」と声をかけられました。それは、長らく生田診療所の師長をされていたNさんでした。生田診療所は東神戸病院の属する神戸健康共和会の中の診療所で、東神戸病院から少し離れた中央区、宇治川商店街の中にあります。そのNさんから渡されたのは「共和会で民医連を学ぶ~命の平等を支える現場から~医療にかかわった半生」という冊子でした。
その中には、共和会の病院、診療所の発展の歴史、「小児麻痺の生ワクチン闘争(1950年代終わりから1960年代初頭」「神戸市結核患者数ワーストワン返上の取り組み」「職業病健診の取り組み」「集中豪雨による大水害へ医療・救護活動(1967年7月にあったそうです)」「南京虫駆除の活動」など、私自身も知らないことが記録されていました。Nさん自身1965年から神戸健康共和会で勤務されてきたそうです。
あとがきには、こう書いてありました。
「民医連の医療活動の原点は変わっていません。私たちは多くの先輩方が苦労して育て、残してくれた有形無形の財産を大切にしていきたい。すべての人が等しく尊重され、医療を受けられるよう頑張ってきました。そして、これからの『民医連』医療の発展を担う、若い人たちに期待しています。」
「巨人の肩に乗って」・・「肩からすれ落ちないように」頑張らないと。