
4月18日土曜日に、第11回東神戸病院オープン講座が開催されました。今までは疾患のことについての話が多かったのですが、今回はPFASでした。
最近では、報道されることも多いのでご存じの方も多いかもしれませんが、当院の瀧本医師が最近の知見を含め講演しました。
PFASは有機フッ素化合物のことです。スノーボードのワックスや、フライパンなどにつかわれてきました。自然環境下では分解されにくく「永遠の化学物質」ともいわれているそうです。しかも、体内に取り込まれると長時間排泄されません。そして、PFASによる健康被害が報告されています。子供の健康影響(出生時体格、ホルモン、免疫アレルギーに対する影響)があるとされますし、米国のウエストバージニア州では、脂質異常症(高脂血症などですね)、妊娠性高血圧、腎臓がん、潰瘍性大腸炎、精巣癌、甲状腺疾患はPFAS
による被害を認定しているそうです。
日本では、沖縄の米軍基地周辺での汚染が報告されていますが、ここ兵庫県でも他人事ではありません。明石川流域をはじめ多くの地域で地下水で高濃度のPFASが検出されています。
こうした環境の問題には、国の姿勢が問われます。欧米では「予防原則」の考え方に基づいています。つまり、人の健康や環境に対して重大で取り返しのつかない影響を及ぼす可能性がある場合、科学的な因果関係が十分証明されていなくても規制するということです。一方、日本は、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのか十分な知見はないし、日本では個人の健康被害が発生したという事例は確認されていないとして規制は緩いものとなっています。
この「安全性の考え方」の違いが、のちに大きな被害にならないといいのですが・・。
疑わしいものは「規制する」・・それが、健康や人命に関連する可能性があるならなおさらだと思うのです。
意識の高い方々が参加され、講演後の質問も活発にされていました。正しい知識をどこから得るのか?情報が氾濫している中で難しい問題です。今後もオープン講座で、いろいろな課題を取り上げていきたいと思っています。