
病院で働く人には、それぞれこの仕事を選んだ理由があります。
資格や経験だけではなく、自分自身の人生の出来事が、今の仕事につながっていることもあります。
今回の対談では、看護助手の金澤さんが、この仕事を選んだきっかけを語りました。
その背景には、ご自身の大きな病気の経験と、医療者への深い感謝がありました。
遠山院長
どうして看護助手という仕事を選ばれたのですか?
金澤看護助手
私は50歳のときに脳出血を経験しました。
もう助からないかもしれないと言われるような状態だったのですが、奇跡的に助かって、また話すことができて、自分のこともできるようになり、仕事にも戻れるようになりました。
そのときに、「これは何か意味があって助かったんじゃないか」と思ったんです。
これからは、人のために生きていかないといけないんじゃないか。そんな気持ちが自然にわいてきました。
病院の先生や看護師さんにも本当にお世話になりました。
だから、生きている間に恩返しをしたいと思ったんです。
そんなとき、この病院で看護助手の募集を見つけて、「ここなら自分にもできるかもしれない」と思って応募しました。
遠山院長
それまでは医療関係のお仕事ではなかったんですか?
金澤看護助手
まったく違う仕事でした。
だからこそ、病気になったことが私にとってすごく大きかったです。
入院中に支えてくださった方々の存在が忘れられなくて、「今度は自分が支える側になりたい」と思うようになりました。
手術のあとに行ったリハビリ病院でも、本当にお世話になりました。
リハビリの先生方が、治療だけでなく日常のちょっとした話まで聞いてくださって、すごく救われました。
ああいう関わりの力は大きいな、と身をもって感じたんです。
金澤さんが看護助手になった原点には、患者として支えられた経験がありました。
助けてもらったことへの感謝が、今度は誰かを支える力になっている。
医療の現場には、そんな思いの連なりがあります。
次回・第2部では、遠山院長が語る「迷ったとき、判断で大事にしていること」についてお届けします。