
医療の現場では、日々たくさんの判断が求められます。
どこまで治療するのか、どの選択がその人にとってよいのか。
正解がひとつではない場面も少なくありません。
この回では、金澤さんから遠山院長へ、「悩んだり迷ったりするときに大事にしていること」が問いかけられました。
金澤看護助手
悩んだり、迷ったり、判断するときに、一番大事にしていることは何ですか?
遠山院長
医療の現場では、本当に難しいことがたくさんあります。
どこまで治療するか、どんな治療を選ぶか。方法がいろいろあるからこそ、迷うことも多いです。
その中で一番大事にしているのは、やはり患者さんにとって本当にいいことは何かということです。
もちろん患者さんの希望は大切です。
ただ、そのときに口にしている言葉が、その人の本当の思いとぴったり一致しているとは限らないこともあります。
たとえば、苦しさの中で「もう帰りたい」と言われることがあっても、治療によって回復する可能性があるなら、その言葉だけで判断してよいのかは慎重に考えなければなりません。
本人の思い、ご家族の思い、その方のこれからの生活。いろいろなことを含めて考える必要があります。
もう一つ大事にしているのは、自分の家族だったらどう考えるかという視点です。
そして同時に、一人で決めないことです。
医師だけでなく、看護師やリハビリスタッフなど、いろいろな職種と話し合いながら考えていく。
一人で抱え込まず、チームで悩むことが大切だと思っています。
金澤看護助手
「患者さんにとって何が一番いいか」を考えることが、やっぱり原点なんですね。
遠山院長
そうですね。
迷うからこそ、その人を中心に置いて、みんなで考えることが大事なんだと思います。
医療の判断は、単に「正しいかどうか」だけでは決められません。
患者さんにとって何が一番よいのかを考え、迷いをチームで引き受けること。
それが遠山院長の大切にしている姿勢でした。
次回・第3部では、金澤さんが語る「患者さんとの関わりで大事にしていること」をお届けします。