
私は、変な自信があって、自分は病気とは無縁と考えていました。しかし、誰にでも体には「がた」がくるというもの、この3年間で3度の入院を経験しました。
2度の脳梗塞と、脊柱管狭窄症という病気です。東神戸病院には脳神経外科はありませんし、整形外科の手術もしていません。しかし神戸市内で、それぞれの分野で優れた病院(神戸市内には頼りにできる病院がたくさんあります)があり、そうした病院に入院させていただき治療を受けました。ともに的確な治療をしていただき元気になれました、幸い脳梗塞でも麻痺は残らず、整形外科のほうも、術前は立っているのがつらい状態でしたが、かなり歩行もできるようになりました。医療者が患者になるということで、別の視点で見えてきたことがあります。そして、こうした経験をもとに、自分たちが行っている医療の改善に結び付けられたらいいなと考えます。
私は、2024年2月に全身麻酔の手術を受けましたが、全身麻酔のときに尿道にカテーテルを挿入されます。先に抜けないようにするため「風船」みたいなのがついているので、医療者は「バルーン」なんて呼びますが、日常の医療でもよくする手技です。今では感染の危険もあるのでできるだけ入れない方向ですが、それでも重症患者さんなどには通常挿入させていただきます。
全身麻酔の意識のない時に挿入されますが、手術翌日、尿道カテーテルを抜くとき・・それは、まあ痛かったこと(-_-;)「あれ?こんなに痛いの?」なんて思いました。
私は、できるだけ早い復帰を考えていましたから・・手術翌日から車いすは使用せず歩行器歩行を行っていたのですが・・尿道カテーテルを抜いてからというものは・・頻尿(尿が何回も出ること)で困りました!その日の夜は30分おきぐらいに「おしっこ」に行きました。術直後で起き上がるのも大変です。
●寝ている状態→電動でギャッジアップ(ボタンで頭の方を上げることです)→何とか起き上がってコルセットをつける→歩行器でトイレに行く→用を足す(しかし、この排尿時に激痛が(-_-;))→歩行器でベッドに戻る→コルセットを外す→ベッドに持たれるや→電動でベッドの頭をゆっくりと下げる
これを、何回も繰り返しました。やっと寝たと思うと、またすぐに尿意が(-_-;)(-_-;)
手術が木曜日でしたから、金曜日の夜がこの状態・・土曜日には若手の医師の回診がありました
若手先生:「遠山さん。痛みはどうですか?」
わたし:「痛みよりも、頻尿に困っています」
若手先生:「・・・」
わたし:「膀胱炎か?前立腺炎だと思います?尿道カテーテル抜くときにかなり痛かったし、それにそのあと。排尿時に組織片のようなものも出ました。排尿の時はかなりの痛みがあります。」
若手先生:「・・・」
わたし:「できるだけ早く抗菌剤を!」(レボフロキサシンでいいんだけどな・・処方してくれないかな?)
若手先生:「むやみに抗菌剤は出せませんね。それは泌尿器科に対診してからになりますね。月曜日に診察してもらうようにします。」
わたし:「・・・」(たしかに・・むやみに抗菌剤は良くないですがね・・)
土曜の夜も、日曜の夜も、痛みの中で頻尿との戦い!
結局、泌尿器科の医師の診察は月曜日の夜でした。
泌尿器科先生:「尿はきれいですが・・前立腺炎でしょうね。レボフロキサシン処方しておきます」
(もっと、早く出しておくれよ(-_-;))
大きな手術を頑張っていただいた医師・スタッフにはとても感謝しています。しかし、手術翌日のわたしの最優先事項は「頻尿を何とかしてほしい」でした。診察に来てくれた医師の、関心事項は「術後の状態」だったともいます。もちろん、プロとしてのそちらに関心が向くのは当然ですが、やはり「患者の訴え」を大切にすること!・・この重要さを身をもって知りました。
こうした話はよく聞きます。「入院中に眠れなくて、訴えておられたけど、入院中には眠剤は処方されず、退院後の薬の中には眠剤がたくさん入っていた。」このかた・・家ではしっかり眠れる人だそうですが・・。
自分の病院、東神戸病院はどうなのか?
朝、いつものように患者さんを回診すると・・心不全で入院中のAさん。
Aさん:「昨日、膝が痛くて眠れなかったんです。」
「でも、看護師さんに言っても、指示がないから出せないって言われたんです」
私:「すみませんね・・(-_-;)」
謝るしかありません。その日は痛みで眠れなかったそうです。
医師は、患者さんに対し、いくつかの予想指示を出します(発熱の時、不眠の時など・・)。
でも、すべてのことを予測するわけではありませんし、予期しないことが起こったときには、連絡をもらった方がいいと考えています。
Aさんの場合、当直医に連絡して、「痛み止め」や「湿布」などの指示を出してもらってもよかったですし、当直医から指示が出ないのなら主治医(私)に連絡をくれてもよかったと思います。
大病院での専門分化したことによる縦割りの医療、医師同士の遠慮、看護師から医師への遠慮・・いろんなことが関係しているかもしれませんね。
ただ、やはり、「患者の訴え」を大切にすること。これは医療の現場で優先されるべきことですね。