
2025年の死因別死亡率は、1位が悪性新生物(23.9%)、2位が心疾患(14.1%)、3位が老衰(12.9%)となっています。昔は、死亡診断書にはできるだけ「老衰」とは書かないようにとされていたように思いますが・・最近では高齢化を背景に、診断書に「老衰」と書くことも多くなりました。
今日(8月9日)、訃報が届きました。私の中学時代の恩師が自宅で息を引き取られた・・と。私にとっては、とても楽しかった学級でした。その学級担任をされていた先生でした。実は、「遠山に会いたいと」言ってくださっているのを聞いて、先月(3週間前)に自宅を訪問させていただいたところでした。90歳を超えても、昔の面影はそのまま・・昔の話に花が咲き、楽しい時間を過ごしたのでした。ご高齢で一人暮らしをしていたのですが、施設に入るのは断り、自宅で生活を続けておられたのでした。今日・・ヘルパーさんが、発見されたそうです。布団の中で、眠るように安らかだったとのことです。
自分の好きな家で・・そこはよかったですね。そして・・40年ぶりにお会いできたのは奇跡かもしれませんね。
先日、私が担当している方が病棟で息を引き取られました。私が書いた診断書の病名は「老衰」でした。今年になって、食事量がヘリ、どんどん痩せてきたとのことでした。ご本人は、「自宅にいたい」との思いも強かったかもしれませんが、介護するご家族も大変で入院となりました。点滴など治療は好まれず、しかも血管に点滴するのはむつかしい状況でした。ご家族とも相談して皮下点滴のみを行うこととしました。入院してからも、痩せていき、声も出しにくくなりました。それでも、私や、リハビリのスタッフが訪室すると・・・
「あ・り・が・と・う」と振り絞るように話してくれます。
ある日は「さ・い・こ・う・に・し・あ・わ・せ」と。
1日何度も来てくれるご家族(娘さん:看護師さんです)もあってのことでしょう。こんな状況になって、感謝の言葉がでるなんてすごいことですね。
徐々に弱り、嚥下ができなくなり、誤嚥性肺炎や窒息のリスクがあるため「絶食」になりました。でも。この状況では、ご本人が食べたいものがあれば・・と思いますね。
ご家族が、「棒付きの飴」はどうかと提案がありました。もちろんOKです。そして、ご家族はたくさんの「棒付き飴」を買われました。でも残念なことに・・その飴を口にすることはなかったのです。実はこの患者さんは今日亡くなられた先生と同じ年でした。
自分の住み慣れた家で最期を迎えた先生、ご家族の熱い思いに包まれて最後まで感謝の言葉を口にされた患者さん。それぞれの人生は素敵だと思うのです。